野菜の鮮度知覚に画像特性が及ぼす影響

我々は食品の鮮度を日常的に視覚によって判断しているが,それがどのような情報に基づいて行 なわれているかは明らかにされていない.そこで今回,キャベツをサンプルとして鮮度劣化の過程 を撮影し,その画像に基づき鮮度劣化に伴う輝度ヒストグラム形状の変化が鮮度知覚に及ぼす影響 を実験的に検討した.刺激として,同一のキャベツを中温用エアコンで室温制御した環境下におい て数時間ごとに鮮度劣化の様子を撮影した画像と,鮮度劣化過程における輝度ヒストグラムをマッ チングさせて生成した画像を用いた.被験者は画像を自由に観察し,刺激画像のキャベツの鮮度を 評定尺度法によって評定した.その結果,鮮度が高い画像に対して劣化画像の輝度ヒストグラムを マッチングさせた刺激の場合も,逆に鮮度が低い画像に相対的に新鮮な画像の輝度ヒストグラムを マッチングさせた刺激の場合も,輝度ヒストグラム操作方向に鮮度評価がシフトする傾向が見られ た.これは,鮮度劣化に伴う形態の変化とともに,画像の統計的輝度分布情報が野菜の鮮度の知覚 の手がかりとして働くことを示唆している.

Arce-Lopera, C. A., Masuda, T., Kimura, A., Dan, I., Wada, Y., Okajima, K. (2008). Effect of Image Properties on Vegetables Freshness Perception (3rd ed., vol. 20, pp. 168). Journal of the Vision Society of Japan.

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